症例紹介

爬虫類

イグアナの卵墜性腹膜炎

●グリーンイグアナに限った病気ではありませんが、メスのトカゲや鳥ではわりとよく認められます。

 本来、卵巣で発生した卵の元は自然と吸収されるか、卵管内へ移行し卵になるかです。

 そのような流れが何らかの原因で破たんした場合、卵巣にある卵のもとが破れて体腔へ落ちる、

 もしくは卵管から体腔へ逆行して落ちることがあります。卵殻のできた卵が腹腔内へ落ちること

 もあります。初期の場合、無症状ですが、徐々に食欲がなくなり、痩せてきます。

 

 特に卵黄が腹腔内へ漏れ出るケースでは重度の炎症が起こり、

 最終的にほおっておけば、命にかかわります。

 治療としては抗生物質の投与、補液などによる水和状態の改善とともに、

 重度であれば、外科的に開腹して漏れ出たものを除去し、洗浄する必要があります。

 頻繁に産卵しているトカゲやカメは注意が必要です。

 

イグアナ寝たまま.jpg 

←実際の手術時のイグアナ

 

 

↓の写真は腹腔内へ落ちた卵黄様物質

と卵材の詰まった膨らんだ異常卵管

卵1.jpg
イグアナ 卵管.jpg