症例紹介

チンチラ、デグー

チンチラの肺炎

今回は、チンチラの肺炎について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

呼吸促拍や努力性呼吸などの呼吸器症状が認められ、元気や食欲の低下なども認められることが多いです。

症状が重症化すると、呼吸困難や敗血症による多臓器不全などで亡くなってしまう可能性もあります。

 

〈原因〉

細菌、真菌、ウイルスなどの病原体に感染することで発生します。

飼育環境の不備や不適切な食事などで免疫力が低下していると、感染を助長する可能性があります。

また、食べ物や飲み物を誤嚥してしまい、誤嚥性肺炎をおこすこともあります。

 

〈診断〉

レントゲン検査にて、肺の異常がないかどうか確認していきます。

これは、肺炎が認められたチンチラの胸部レントゲン画像です。

肺炎を起こしている部位が白っぽくなっていることがわかります(赤丸)。

また、レントゲン検査以外にも病原体の特定の為に培養検査や遺伝子検査を実施することや、

全身状態の確認のために血液検査などの検査を実施することもあります。

 

〈治療〉

抗生剤の投与やネブライザーを行います。

呼吸状態が悪い場合は酸素吸入や、必要に応じて点滴や強制給餌を行い全身状態の改善を図ります。

先ほどの肺炎のチンチラの治療後のレントゲン画像です。

肺の白くなっていた領域が正常な黒色になっていることがわかります。

 

肺炎は重症化すると亡くなってしまうこともある怖い病気です。

呼吸の異常は全身状態の悪化に直結するため、早めに来院を検討していただければと思います。