症例紹介

その他小動物

ミーアキャットのコクシジウム症

ミーアキャットも犬や猫と同様に、様々な原因で下痢になってしまうことがあります。

今回は、ミーアキャットのコクシジウム症について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

感染が軽度の場合は無症状の場合もありますが、症状が進行すると

下痢や軟便、削痩、食欲不振などの症状が認められることがあります。

これは健康なミーアキャットの便の画像です。

適度な硬さがあり、形を保てていることがわかります。

 

一方、こちらはコクシジウムの感染が確認されたミーアキャットの便です。

健康な便に比べ、軟便気味になっていることがわかります。

 

〈原因〉

コクシジウムに感染した個体の糞便を介しての、経口感染によって感染が広がっていきます。

 

〈診断〉

糞便検査が必要となります。

これは下痢が認められたミーアキャットの糞便検査の顕微鏡画像です。

コクシジウムのオーシスト(赤丸)が多数認められました。

 

〈治療〉

駆虫薬の投与が必要となります。

慢性的な下痢によって脱水や削痩が進み、全身状態が悪化していると、

そのまま衰弱して亡くなってしまうこともあります。

そのような場合では、点滴や強制給餌などの支持療法も同時に実施し、全身状態の改善に努めます。

 

ミーアキャットで下痢や軟便が認められた場合は、来院して糞便検査を検討していただければと思います。