症例紹介

ウサギの足底皮膚炎(ソアホック)

今回は、ウサギの足底皮膚炎(ソアホック)について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

足の裏が脱毛し、赤くなり、重度の場合には熱感や出血、蓄膿・排膿がみられます。

悪化すると動くことを嫌がり、じっとすることが増えます。痛みから食欲が減退することもあります。

足の裏の感染が骨まで波及すると、骨髄炎や敗血症を起こすこともあります。

 

〈原因〉

ウサギの足底は犬猫とは異なり、明らかな肉球が存在せず大半が被毛で覆われています。

そのため、硬い床材で飼育していると足にかかる負重が分散されず、常に同じ箇所に圧がかかります。

その結果、圧迫された皮膚の血流低下が起きたり、摩擦が生じたりすることで壊死や炎症が起きます。

また狭いケージに長時間いることや、肥満や脊椎疾患などで歩様異常がある子や、スタンピングを繰り返す子などは発生のリスクが高いです。

さらに排泄物などにより不衛生な状態が続くと、細菌感染による炎症が起きやすくなります。

 

〈診断〉

飼育環境を確認し、肉眼的および触診にて皮膚炎の診断をします。

以下の写真は足底皮膚炎のうさぎさん(左)と正常なうさぎさん(右)の足の裏です。

足の裏が赤くなり、痂皮が形成され、横から見ると赤く腫れているのがわかります。

またレントゲン検査を実施し、骨が溶けていないかなどの骨病変の有無を確認します。

この子はレントゲンにて軟部組織の腫脹(赤矢印)はみられましたが、骨の異常はみられませんでした。

また、膿が出ている場合は、細菌培養検査を実施することもあります。

 

〈治療〉

まずは環境要因の改善、具体的にはケージ内には厚手のマットを敷いたり、床材が汚れたら頻繁に交換したりします。

また、肥満や過剰なスタンピングなどの動物自身の要因の改善も行います。

皮膚病変に対しては消毒薬や、抗生剤の内服薬や外用薬を使用します。

皮膚病変が重度の場合には包帯やテープや靴下による足底の保護を行うこともあります。

膿瘍が形成されている場合には切開して排膿・洗浄を行う場合もあります。

悪化して骨髄炎や敗血症になると、命にかかわる可能性もあります。

 

〈予防〉

足底皮膚炎は病状の悪化を防ぐために、床の見直しと衛生管理の徹底が重要です。

当院では以下の画像のような毛足の長いバスマットを使用しています。

また、肥満のウサギでは体重管理も重要になります。

 

うさぎさんの足の裏の脱毛や発赤など、何か変わったことがあれば早めの受診を検討していただければと思います。