症例紹介
ミーアキャットの細菌性皮膚疾患の一例
ミーアキャットも犬や猫と同様に、様々な原因で皮膚病になってしまうことがあります。
今回は、ミーアキャットの細菌性皮膚疾患の1例を紹介していこうと思います。
〈症状〉
ミーアキャットの皮膚病では、痒みや痛み、落屑、出血、化膿などがみられます。
本症例では脇腹の小さな傷から始まり、そこを気にして傷が広がり、皮膚がただれた状態で来院されました。
〈原因〉
ミーアキャットはペットとしての歴史が浅く、病気の情報もまだ多くはありません。
肥満細胞腫(腫瘍)、グラム陽性菌やBurkholderia pseudomalleiといった細菌感染、
リーシュマニアという原虫による皮膚炎が海外では既に報告されています。
また、上記以外にも犬や猫と同様に、真菌、外部寄生虫、外傷、
排泄物の付着などが原因で皮膚病になることも考えられます。
〈診断〉
原因を調べるために皮膚押捺検査や掻爬検査、培養検査、場合によっては皮膚生検などを行います。
本症例では押捺検査を実施し、重度の細菌感染がみられました。
〈治療〉
検査でわかった原因に対する薬の投与が必要となります。
本症例では細菌感染がみられたため、抗生物質を投与しました。
また、本症例のように重度の皮膚病の場合、傷口の洗浄や傷口の保護(ドレッシング)も必要になります。
本症例では麻酔をかけて、傷口周囲の毛を刈り、傷に付着した汚れを除去し、洗浄、消毒、抗菌外用薬の塗布も行いました。
以下はその時の画像です。(左:洗浄前、右:洗浄後)


その後も毎日自宅での傷口の洗浄と抗菌外用薬の塗布、
傷口のドレッシングとテーピング、エリザベスカラーの装着、抗生物質の投与、通院での傷口の確認を行いました。
以下の写真は治療経過です。
治療開始から1日

治療開始から2週間目

治療開始から9週間目

約2カ月の治療で皮膚の再生がみられ、傷口はふさがり、
エリザベスカラーを外して生活することができるようになりました。
〈予防〉
皮膚の清潔を保つこと、適切な温度や湿度で飼育することなどが予防策となります。
また、小さな皮膚の変化に目を向けて、早急に異変に気付くことも重要です。
皮膚の痒みなど、何か変わったことがあれば早めの受診を検討していただければと思います。
