症例紹介

ハムスター

ジャンガリアンハムスターのマイボーム腺腫

ハムスターの目に関するトラブルはよくあります。

今回は、ジャンガリアンハムスターの眼瞼で発生することが多い、

マイボーム腺腫について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

眼瞼に白っぽい出来物ができて、腫れてくることが多いです。

右上眼瞼にマイボーム腺腫(赤丸)が発生したジャンガリアンハムスター

 

初期の段階では眼瞼の腫れ以外に特に症状が無いことが多いですが、

腫れがひどくなってくると、目を気にしたり、うまく目を開けることができないなどの

症状が出てくることもあります。

 

〈原因〉

眼瞼にはマイボーム線と呼ばれる皮脂成分を分泌する分泌腺が存在します。

このマイボーム線に分泌物が過剰に蓄積することによって

眼瞼が腫れてくる状態をマイボーム腺腫と呼びます。

 

〈診断〉

特徴的な見た目から、視診にて仮診断をする場合が多いです。

確定診断には細胞診や病理組織検査が必要となります。

 

〈治療〉

抗生剤の点眼薬で治療することが多いです。

内科治療に反応がみとめられない場合では、麻酔下で切開して分泌物を排出することもあります。

 

マイボーム腺腫(赤丸)を切開するために麻酔かけている様子です。

 

眼瞼を裏返してみると、分泌物が多量に蓄積していることが確認できます。

 

切開すると、このように分泌物が排出されます。

 

切開後の様子です。眼瞼の腫れが軽減していることがわかります。

 

おうちのハムスターさんの目に何か異常がある場合は、

早めに来院を検討していただければと思います。