症例紹介

ハムスター

ハムスターの頬袋脱

ハムスターには頬袋と言って食物を一時的にためておく袋が両頬に備わっています。

頬袋が靴下をひっくり返したように口から飛び出してしまうことがあり、

その状態を頬袋脱と言います。

 

<症状>

口から赤色の反転した頬袋が飛び出していてる状態で、出血や壊死があると黒っぽく見えたり、

炎症や浮腫で腫れて見えることがあります。

上図:頬袋脱を呈したハムスター

 

<原因>

ハムスターが頬袋の内容物を取り出すときに、頬袋が反転して口から脱出することがあり

それをすぐに戻せないと二次的に炎症を起こして、自力で元に戻せなくなってしまいます。

また、頬袋の感染や腫瘍、膿瘍によって頬袋脱が引き起こされることもあります。

 

<診断>

頬袋脱はその典型的な症状から診断されますが、腫瘍や膿瘍の発生が疑われる場合は

細胞診検査や病理組織検査などを行う場合があります。

 

<治療>

症状が軽度のものでは、綿棒などで頬袋を元の位置に整復できることもあります。

浮腫や損傷が重度な場合、腫瘍がある場合は

全身麻酔下で外科的に頬袋を切除する必要があります。

 

発見したらお早めに連絡ください。