症例紹介

犬の潜在精巣

生まれたばかりの犬の男の子では精巣はお腹の中にあり、

成長に伴って陰嚢へと移動していきます。

しかし、精巣がお腹の中や鼠径部で留まってしまうことがあり、これを潜在精巣と言います。

今回は犬の潜在精巣について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

精巣が陰嚢内に一個しかない、あるいは両方ない状態です。

潜在精巣は中高齢になったときに正常な精巣よりも腫瘍化しやすい傾向があります。

そのような精巣が腫瘍化した場合、鼠径部が腫れる、元気食欲の低下などがみられることがあります。

 

〈原因〉

犬では特に右側の潜在精巣の発生が多いとされ、

お腹の中にある事よりも鼠径部の潜在精巣が多いとされています。

遺伝的な要因や環境要因が原因と考えられています。

 

〈診断〉

触診によって精巣が陰嚢内にあるかどうか確認します。

陰嚢内に精巣がない場合、触診や腹部超音波検査によって精巣の位置を特定していきます。

 

〈治療〉

外科的な摘出手術が必要となります。

通常の去勢手術では陰茎と陰嚢の間を一か所切開するだけですが、

精巣が鼠径部で留まっている場合では新たに切開が必要になるほか、

精巣がお腹の中にある場合では開腹手術が必要となります。

これは腹腔内から精巣を摘出している様子です。

陰嚢内の精巣の摘出とは別に、腹部を切開する必要があります。

 

潜在精巣は緊急を要する状態ではないですが、

将来的には腫瘍化する可能性が高いため、若齢期に手術を行うことをお勧めしています。

手術に関して気になる方は、一度ご相談に来院していただければと思います。