症例紹介

フェレット

フェレットの膀胱結石

犬や猫では泌尿器系の結石ができてしまうことがありますが、

他の動物でも結石が認められることもあります。

今回はフェレットの膀胱結石について紹介していこうと思います。

 

〈症状〉

血尿や頻尿などの症状が一般的です。結石が尿道閉塞を起こしてしまうと排尿障害から急性腎不全を引き起こし、

食欲不振や昏睡などの症状が認められる場合もあります。

 

〈原因〉

細菌感染や遺伝的な要因の他、動物性タンパク質の乏しい食事などによって結石が形成されます。

フェレットではストルバイト結石が多いとされています。

 

〈診断〉

レントゲン検査やエコー検査によって膀胱結石の有無を確認します。

また、尿検査によって尿中の結晶成分が判別できる場合もあります。

排尿障害を起こしている場合では血液検査を行い、腎数値などを確認する場合もあります。

 

〈治療〉

結石の種類ががストルバイトであれば、食事を猫用の尿路結石の療法食に変更して溶解させることも可能です。

内科治療で溶解させることが難しい結石については、膀胱切開によって結石を外科的に摘出する必要があります。

 

 

写真の症例では膀胱結石が多数認められ(赤矢印)、尿道内の結石(青矢印)によって排尿障害が見られました。

結石の摘出手術を行い成分を調べたところ、シスチン結石であることがわかりました。

シスチン結石は犬や猫では先天的な代謝障害によって形成されるとされています。

フェレットのシスチン結石についてはいくつか報告がありますが、

犬猫のような代謝異常が関与しているかは不明です。

 

結石が尿道内で閉塞すると命に関わる問題となるため、

頻尿や血尿などの異常が見られた場合は早めに病院にお問い合わせください。