小鳥の卵詰まり
ペットとして飼育されている小鳥は発情に関連した病気の発生が非常に多いです。
今回はその代表的な病気として、卵詰まりについて紹介していこうと思います。
〈症状〉
初期の段階では無症状の場合もありますが、病状が進行すると元気食欲の低下や膨羽、
呼吸促拍やお腹を気にするなど、様々な症状がみとめられます。
また、低カルシウム血症によって起立不能や痙攣などの神経症状がみとめられる場合もあります。
〈原因〉
ペットとして飼育されている小鳥は慢性的な発情状態に入ってしまっていることが多く、
過剰に産卵をしてしまうことが多いです。
また、カルシウムが不足すると卵殻形成が不十分になったり、卵管の収縮不全をおこし、
卵詰まりを引き起こしやすくなってしまいます。
〈診断〉
腹部の触診で卵を触知したり、レントゲン検査やエコー検査で卵の有無を確認します。
これは卵詰まりを起こした文鳥のレントゲン画像です。
お腹の中に卵が一個確認できます(赤丸)。
こちらは卵詰まりを起こしたセキセイインコのレントゲン画像です。
お腹の中に卵が確認できますが(赤丸)、卵殻がうっすらとしか確認できない状態になっており、
卵殻形成が不十分である可能性が考えられます。
〈治療〉
排卵促進剤やカルシウム剤を投与して排卵を促す場合もありますが、
内科治療に反応がない場合や、緊急性を要する場合などは腹部を圧迫し排卵処置をしていきます。
卵詰まりでは全身状態が悪化していることも多く、亡くなってしまうことも多い病気です。
予防には発情をさせないための飼育を心がける必要があるため、
鳥さんの飼育環境や体調が気になる方は、一度ご相談に来ていただければと思います。