爬虫類
爬虫類の黄色真菌症(YFD : Yellow fungus disease)
爬虫類では細菌、真菌、寄生虫など、様々な感染症に遭遇することがよくあります。
今回は爬虫類の黄色真菌症(YFD : Yellow fungus disease)について紹介していこうと思います。
〈症状〉
痂皮形成、皮膚の変色、化膿性肉芽腫の形成などを引き起こします。
感染が骨や内臓にまで広がってしまうと、全身状態が悪化し衰弱死することもあります。
〈原因〉
Nannizziopsis属、Paranannizziopsis属、およびOphidiomyces属の複数種類の真菌によって
YFDは引き起こされることがわかっています。
〈診断〉
病変部を一部採取し、真菌培養検査や病理組織学的検査、遺伝子検査などの検査が必要となります。
〈治療〉
抗真菌剤の内服薬や外用薬の投与が必要となります。
また、全身状態が悪化している場合には点滴や強制給餌などの支持療法も必要となります。
これはYFDのフトアゴヒゲトカゲの写真です。
口の周囲に痂皮形成や皮膚の変色、壊死が起きています。
治療を始めて6か月が経過したときの写真です。
顔面の変形はあるものの、皮膚は再生しつつあります。
ヒーターやライトによる、ちょっとしたヤケドのように見えても、
実は感染症の初期症状であることも多いです。
皮膚に何か異常を見つけた場合には、早めに来院していただければと思います。