症例紹介

爬虫類

ヒョウモントカゲモドキのへミペニスサック膿瘍

トカゲやヘビのオスにはへミペニスとよばれるペニスが左右に一対あり、

尻尾の根元にあるへミペニスサックに収納されています。

今回はへミペニスサック内に膿瘍ができたヒョウモントカゲモドキを紹介します。

 

<症状>

ヒョウモントカゲモドキの性成熟したオスでは、尻尾の根元にへミペニスの膨らみが確認できますが、

へミペニスサック内に膿瘍が形成されると、膨らみがさらに大きくなってきます。

重症化すると皮膚が自壊し、膿瘍が直接目視できる場合もあります。

写真の症例では左へミペニスサック(赤矢印)の膨らみが明らかに大きくなっています。

 

へミペニスサックを圧迫すると膿が排出されました(青矢印)。

膿瘍が形成されていることがわかります。

 

<原因>

へミペニスサック内で細菌感染が原因です。

不適切な温度管理や、不衛生面な環境など、飼育方法の不備から細菌感染をおこす可能性も考えられます。

 

<診断>

特徴的な症状から診断されますが、細胞診検査や細菌培養同定検査などを行い、

細菌の有無や、菌種の同定、抗生剤に対する感受性を調べる場合もあります。

 

<治療>

膿瘍を取り除き、患部の洗浄や消毒、抗生剤の投与を行います。

適切に治療すれば症状は改善していきますが、再発するケースも多いように感じます。

 

お尻まわりの異常はよく観察しないと見過ごされることも多いため、

日ごろから体のチェックをするように心がけて頂ければと思います。