症例紹介
犬と猫の肥満
人間に肥満があるのと同様にわんちゃん・ねこちゃんにも肥満があります。
肥満は様々な健康上の問題を引き起こすため、日頃からの予防や早めの対策が大切です。
〈症状〉
肥満になると、活動性が落ちる、呼吸が早くなる、疲れやすくなるといった変化がみられます。
また、肥満は多くの病気を引き起こす原因にもなります。
例えば
・骨関節炎
・心臓病
・糖尿病
・熱中症
・膵炎
・膀胱炎、膀胱結石など
の病気のリスクが高まることがわかっています。
〈原因〉
主な原因は食事やおやつの与えすぎや、運動不足が原因です。
また、以下のような要素も太りやすくなる要因となります。
・性別:避妊去勢手術をした子ではホルモンバランスが変化し、基礎代謝が低下し太りやすくなります。
ねこちゃんは去勢雄、わんちゃんは避妊雌で肥満が多い傾向があるとされています。
・病気:甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症などのホルモン疾患、関節疾患などの運動器疾患など。
・加齢:加齢とともに基礎代謝が低下し太りやすくなります。
・品種:ビーグル、ラブラドールレトリーバー、短頭種、足の短い猫種など。
〈診断〉
視診および触診で診断します。
肥満度の指標としてBCS(ボディ・コンディション・スコア)というものがあります。
これは肋骨や腰骨の触れ具合や、腹部の吊り上がりなどを指標に肥満度を測るものになります。
理想体型をBCS3として、BCS1を削痩、BCS5を肥満とします。
表を参考に、みなさんのわんちゃん・ねこちゃんのBCSをチェックしてみましょう。


日本ヒルズ・コルゲート株式会社HPより引用
〈治療〉
治療は大きく「食餌療法」と「運動療法」と「基礎疾患の治療」の3つに分けられます。
1.食餌療法
食餌療法とは、ダイエットが必要なわんちゃん・ねこちゃん用に作られた減量用療法食を主に利用する方法です。
減量用療法食は、満腹感を得やすくしたり、血糖値の急上昇をおさえたりする工夫がされており、カロリーを制限しながらも必要な栄養素が摂取できるように調整されている食事になります。
※基礎疾患によっては、減量用療法食が使用できない場合があります。食事の変更は必ず獣医師にご相談ください。
2.運動療法
運動療法ではおもちゃで遊んだり、散歩の時間を延ばしたりして、日頃の運動量を増やします。
3.基礎疾患の治療
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症、骨関節炎など、太る原因となっている病気がある場合は、まずその治療を行います。
〈予防〉
一度太ってしまうと減量は大変です。肥満にならないように日頃から予防をしましょう。
わんちゃん、ねこちゃんの肥満は、飼主様が気づかないうちに進行していることも少なくありません。
理想体型を知り、おやつの与えすぎを避け、適切な食事量や運動量を守ることが重要です。定期的な健康診断で体重や体型をチェックしてもらいましょう。
ライフステージに合わせたフードの種類の見直しも重要です。
避妊・去勢後は避妊・去勢用フードに、高齢期にはシニア用フードに切り替えることで、肥満になる事を予防することもできます。
わんちゃん・ねこちゃんの体型やダイエットなど、何か気になることがありましたら、早めの受診を検討していただければと思います。
