症例紹介

ワンちゃんの尿路結石

●「尿路結石」とは尿が通る路にできた石の総称です。

 できた部位によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分類されますが、

 ワンちゃんネコちゃんによく認められるのは下部尿路結石の膀胱結石と尿道結石です。

 発生する石の種類は主にリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)、シュウ酸カルシウム、

 シスチン、尿酸アンモニウム、リン酸カルシウムの5つです。

 中でもリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト結石)の占める割合は多いのです。

 

 
ストルバイト囲み.jpg 

<原因>

●結石の発生要因には年齢、品種、

 食餌内 容、飲水量、感染の有無、尿のpH

 など様々な因子が関与しています。品種別

 ではダルメシアンの尿酸塩結石、

 ミニチュアシュナウザーのストルバイトおよび

 シュウ酸カルシウム結石が有名ですが、

 他の犬種でもみられます。

                               

                              

 

                            

                                   

                                         ↑は膀胱内にあるストルバイト結石

↓はダルメシアンの尿酸塩結石 
尿酸塩結石 縮小.jpg 

<症状>

●結石の大きさやその数などによって様々ですが、

 一般的 には血尿や排尿困難、頻尿、疼痛、尿漏

 れなどが挙げられます。

 また時には症状を示さない場合もあります。

 尿路が完全に閉塞すると乏尿や無尿、腹部膨満を示し、

 嘔吐や食欲不振、沈鬱状態になります。

 

 

 

<診断および治療>

●触診や視診など一般身体検査や臨床症状、血液および生化学検査、尿検査、

 超音波検査やX線検査、造影検査などによって得られた結果をもとに診断します。 

 

●治療は結石の場所や種類によって異なりますが、

 外科的手術ならびに療法食の給餌、内服薬の投与などが挙げられます。