症例紹介

狂犬病と予防接種について

 ●今年も狂犬病ワクチンの接種時期がやってきました。

   もう接種済みの方も多いかもしれませんが、狂犬病についてもう一度、おさらいしておきます。

  

狂犬病とは

 ●ラブドウイルスに属するウイルス疾患で、人も含めてほとんどすべての哺乳類に感受性が

  ある怖い人獣共通感染症です。発症すればほぼ100%死亡してしまいます。

  

  ワンちゃんの狂犬病は一般的なウイルス疾患と同様、10日?6カ月の潜伏期があり、

  その間にウイルスは患部周辺の皮下組織や筋肉組織で増殖し、末梢神経から脳や脊髄へ

  広がっていきます。その後は症状別に狂騒型と麻痺型の2つに分類されますが、

  いずれも神経症状を呈してほとんどが亡くなります。

 

 ●日本でワンちゃんの狂犬病はここ40年以上発生していませんが、世界のいたるところでは

  今も発生しています。

  

  今年の2月にもニューヨークのマンハッタンで狂犬病に感染したアライグマが増えているとの

  ニュースが流れ、中国やインドでも毎年多くの方が犠牲になっている怖い病気です。

  このような蔓延防止と撲滅を目的に昭和25年、狂犬病予防法が制定・施行されました。

  その法律とワクチン接種のおかげで日本では近年ずっと犬の狂犬病はでていませんが、

  世界中での発生状況を考えるといつ何どきでてくるか分かりません。

  ですから狂犬病ワクチンはいざという時のためにも忘れずに毎年接種しましょうね。