症例紹介

マムシによるワンちゃんの咬傷

旅行先にワンちゃんを連れていく方も多いと思います。

山や川に遊びに行く際には、マムシなどの毒ヘビに注意してください。

ワンちゃんがにおいをかぐために近づいて、咬まれてしまう場合があります。

またネコちゃんでも、外に出る子だと要注意です。

 

毒ヘビに噛まれると、噛まれた周囲の皮膚が広範囲に壊死していきます。

ヘビ毒によるショックのため、虚脱状態に陥ることも多いです。

重篤な場合だと、血液凝固不全や急性腎不全になる可能性があります。

 

検査は、創傷部位を含めた全身のX線検査、超音波検査、CBC/血液生化学検査、

血液凝固系検査、尿検査を行い、併発疾患の確認、鑑別疾患の除外をします。

同時に、積極的な輸液、抗生物質や抗アレルギー薬の全身投与など、全身状態が改善するまで集中的な管理が必要です。

 

早期の治療を行い、ヘビ毒が体内で中和、代謝されて、急性期を乗り切るかどうかで

予後は大きく左右します。応急処置については諸説ありますが、逆効果の場合もあるので、傷口を縛ったり、冷やしたりせず、毒ヘビに噛まれた疑いがある場合には、すぐに病院に連れていきましょう。

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マムシに咬まれて腫れた足先