症例紹介

犬の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は避妊手術をしていない中高齢の犬に多い病気です。子宮内にブドウ球菌や大腸菌といった細菌が感染して子宮内膜炎が発生し、子宮内に大量の膿が貯留する、細菌の毒素が体内に回る、といった危険な病気です。膿が漏れて子宮内膜炎から腹膜炎へと進んだり、細菌の毒素が体内に回ると敗血症や他の臓器も障害を受けたりするため、時には発生から数日で死に至ることもある、犬の生死にかかわる重篤な病気です。そのため、子宮蓄膿症と診断されたら、なるべく早く手術などの対処をするべきです。

避妊手術をしていない中高齢の犬で、ヒートが来てからしばらくした後、水をよく飲みおしっこが多い、熱っぽい、元気・食欲がない、陰部から臭いの強い下り物が出る(白っぽい、茶色っぽいなど)、といった症状が見られたら子宮蓄膿症が起きている可能性があります。早めに動物病院で受診しましょう。

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